産後うつ なりやすい人?なりにくい人?

出産後に気分が落ち込むなどの症状が出てしまう産後うつ。家族に理解されないだけではなく、反対に「甘え」や「出産疲れ」などと言われたことがある人も多いはずです。

しかし、産後うつは誰でもなりうる病気です。そこで、産後うつを正しく知るために、具体的な症状やできる対処法を紹介します。

そもそも産後うつって?

新しい命を授かって、待ちに待った赤ちゃんとのご対面。それなのに子育ての楽しさを感じないだけではなく、赤ちゃんが可愛いと思えなかったり、お世話をするのが辛くなったり、何もしたくなくなったり…といった経験をすることがあります。

このように気分が落ち込んだり、心身ともに不安定になることは「ベビーブルー」と呼ばれており、3人に1人の新米お母さんが経験するとされています。個人差がありますので一概には言えませんが、こうした心身の不調は新しい生活にも慣れて心に余裕が生まれるといずれ治っていくものです。

しかしこの状態が2週間以上続くと、産後うつの疑いがあります。この産後うつの罹患率は15%と言われており、決して少ない数字ではありません。つまり、誰が罹患してもおかしくはないのです。そこで具体的にどのような症状があるのか、どのように対処したらいいのか、次からの項目で紹介していきます。

産後うつの症状の一例

うつ病をはじめ、心身に不調をきたす病気の症状は人それぞれで違います。一般的には下記のような症状が代表的なものとされますが、ご自身に当てはまらないものもあるでしょうし、ここで紹介していない症状もあるはずです。

・気分が落ち込んでやる気が出ない

・気持ちの浮き沈みが激しい

・眠れない

・涙がとまらない

・赤ちゃんのことをかわいいと思えない

・自分のことを責めてしまう

・周囲とのかかわりが煩わしいと感じてしまう

・体が思うように動かない、など。

こうした症状が出てしまうのは、赤ちゃんと二人っきりで過ごす時間が長くなることで、社会からの疎外感を感じしてしまうことが大きな要因です。〝密室育児〟とも言われ、思うように外出ができないコロナ禍になってさらに増えているとも言われています。これまでと違う生活をしながら、周囲との関わりがないために、自分の中にある不安な気持ちがどんどん膨らんでしまうのです。そのため大きくなる不安に耐えられずに、心と体に支障をきたしてしまうのです。

産後うつの原因となりうるもの

新米お母さんが産後うつになると、「赤ちゃんへの愛情が足りないから」と自分を責めがちです。しかし産後は体への負担が抜けきれてないうちに、赤ちゃんの世話が始まることで心身ともにダメージを受けてしまいます。また仕事を休むあるいは辞めたことによって、自分の役割の変化もおきます。こうして他人との交流が制限される閉鎖的な環境の中に、いうことを聞いてくれない赤ちゃんと二人でいることもよくないのです。

具体的には下記のようなことで、ストレスを感じてしまいます。

・出産に伴うホルモンバランスの乱れ

妊娠すると体内のホルモンバランスが急激に変化します。そのためマタニティブルーと呼ばれる不安定な時期を迎えます。同様に出産によってもホルモンバランスがまた乱れてしまいます。通常、妊娠前の元の状態にホルモンバランスが戻るのは1年から1年半くらいかかるとされており、その期間は不調が起きやすい状態と言えるのです。

・慢性的な睡眠不足と疲労

赤ちゃんが生まれてすぐは1~2時間おきに授乳をする必要があり、それは夜中でも関係ありません。つまり、新米のお母さんが一人でお世話をするのであれば、2時間以上眠ることはできないのです。しかもそれは出産後すぐに始まります。これは「全治10日の交通事故にあった状態で、休みなしで世話をしているようなもの」とも言われ、心身ともに不調が現れても不思議ではない状況なのです。

・周囲からの強いプレッシャー

赤ちゃんは可愛い反面、命の塊です。しかもその大切な一つの命を、母親として育てていくことに対して誰も不安を抱くものです。しかし周囲の人たちからは「それが当たり前」といった言葉や態度で接せられることもあります。そうしたプレッシャーが重圧となって重くのしかかってしまい、うつの症状が出てしまうこともあるのです。

産後うつの治療法

産後うつを治療するには主に薬物療法や精神療法の2つの方法があります。症状や患者さんの意向に合わせて、選択していきます。

・薬物療法

うつ症状の改善には抗うつ剤や抗不安薬などの治療薬を使うのが一般的です。抗うつ剤といっても種類が豊富にあり、個人個人の症状に合わせて医師が処方します。主に、セロトニンやノルアドレナリンといった脳内の神経伝達系に働きかける薬を用い、脳内環境にアプローチします。

また対症療法として不眠や倦怠感の緩和などを目指す薬の服用もあります。薬物療法といっても幅が広いので、患者の意向や状態、症状、医師の判断などで処方する薬も異なります。授乳中の服用になるため危惧する方もいますが、産後うつの場合はお乳に影響のある薬は処方されないのが通常です。

お母さんの状態が不安定では赤ちゃんのためにもなりませんし、また完全母乳にこだわることもないと思っています。まずはお母さんが万全になることが先決と考えるようにしましょう。

・精神療法

精神療法では、対人関係療法や認知行動療法といった方法で治療を行います。心の病は考え方に癖がついていることがあり、こうした療法を用いることで何にストレスを感じているのかを整理することもできます。また話を聞いてもらい、アドバイスを受ける一方、辛い思いを打ち明けることで思いを共有することができ、安心感を得られることもあります。

ただし、最も大切なのは生活を見直すことです。特に覚えておいて欲しいのは「無理をしない」ということです。そのためには、パートナーや家族など周囲の人に助けを求めてみましょう。

万が一、周囲の協力が得られない場合は行政サービスや訪問サービスの活用も検討しましょう。日本ではまだまだ馴染みがありませんが、海外諸国ではヘルパーやシッターさんなどの育児に関わるサービスを活用することが一般的ですし、24時間常駐するお手伝いさんがいるケースもあります。

例えば、韓国では出産したお母さん向けの療養院があり、お母さんはお乳をあげるだけで、その他のお世話はスタッフがしてくれます。また、オランダではルバンという制度があり、必要なくなるまでサポートを受けることができます。

日本では他人を家に入れることに抵抗があるためそういう文化が定着していませんが、自治体で産後ケア施設の拡充などを図っています。次の項目で見てみましょう。

生活を見直すために、産後ケアの選択肢

産後うつになる前に、またそうした兆候がみられる場合は、産後ケアサービスを依頼する方法もあります。具体的には赤ちゃんのお世話に関するレクチャーなどですが、受ける時期によってもサービスの内容が異なりますので、詳しく紹介いたします。

①出産前からの産後ケア

主に対象となるのは、発達障害や精神疾患などを持ち、元々何らかの不安を抱えている人や、養育環境が整っておらず母子手帳を交付される際に要支援家庭、あるいはそのリスクがあると判定された方などです。

出産前に準備リストを作成したり、赤ちゃんのお世話に仕方などをレクチャーします。出産前から長期間にわたって対応するので個性に合わせた対応ができます。

②出産後からの産後ケア

対象となるのは、出産前は不安はなかったが、出産後に急にうつの症状が出てきてしまった方です。

お母さんの心や体についての相談や、こどもの発育や育てることについての相談、またお母さんが気分転換できるような提案もさせてもらいます。

③自費サービス

保険適用外になりますが、訪問看護ステーションで提供されているサービスには、食事の作り置きや買い物などママの生活を支援するサービスもあります。

 

ただし当ステーションではこのサービスは提供しておりません。

 

産後うつは環境を変えたり、整えたりすることで回避できたり、改善することが見込めます。周囲の協力が得にくい状況にあるお母さんは、ぜひこうした産後ケアサービスの活用も検討ください。当ステーションにご相談くだされば、親切丁寧にアドバイスをさせていただきます。

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