小児や母性の訪問看護は認知不足?

訪問看護ステーションと聞くと真っ先に連想するのは高齢者や医療ケアの必要な患者さんだと思います。実際、『小児』や母性といったケアサポートは、特殊性もあり近年まで普及してこなかったように思います。

私が看護師として今まで働いてきた中で、女性のケアは医療が発達しているのにも関わらず取り残されているような気がしてなりません。

女性は男性よりも人生において仕事や生き方を選択することが多いです。たとえば結婚・妊娠・出産、そして育児。さらに『介護』が伴うケースも出てきました。

以前私がNICUに勤めていたころ、退院サポートが必要なご家族がおり早期から地域の保健師に連絡を取っていたことがありました。産後は新生児訪問というサポートがあり区役所など役所で働く地域の保健師または助産師が母親の体調や育児に困っていることがないか自宅に訪問をします。働いていたNICUでは地域に繋げサポートをする必要がある方に対してはご家族に了承をとり保健師に連絡をしていました。

地域に繋げサポートを必要とする対象の患者がいたため役所に連絡を取り、状況を伝え訪問できるよう調整をしました。退院後、サポートの状況を確認するために保健師に連絡をとると「ご家族のご要望がないため訪問していません」との返答が返ってきました。

自分自身にサポートが必要なことに気づかない

残念なことに、このご家族のお子さんは、抱っこ紐から転落し頭蓋骨骨折をしてしまいました。自分たちの祖父母が育児を手伝ってくれるため大丈夫と考えていたようですが、祖父母が子育てしていた世代の子育てと今の子育ては状況が異なります。病院側と地域の連携がうまくいっていれば防げた事故だと痛感しました。

病院は患者さんの退院後、地域で働く医療スタッフにバトンを渡します。しかし、連携がうまくいかないこともあります。病院・地域間での連携をスムーズに行うためには看護師や医師だけでなく多職種間でのかかわりが必要不可欠です。病院では『専門性』、地域では『多様性』でのサポートが必要です。

弊社が訪問看護ステーションを開所するにあたり、私自身がどうしても取り入れたかったこと。それは訪問看護を利用される方の「メンタルヘルスケア」と「アドバンストケアプランニング」(以下ACP)です。

在宅療養を必要とされる方は当事者だけでなく家族もまた不安があります。当社では、身体だけでなく心のケアも必要であると考えています。心と身体は密接につながっており心の不調が身体症状としてでることも多々あります。

その不調に気づくためには、日ごろから自分の心のメンテナンスを行っていく必要があります。かかりつけ医と同様にかかりつけのカウンセラーをもち日ごろから相談できる環境を作っておくことが必要です。当社では、心理カウンセラーとも協力し身体だけでなく心のケアも同時に行っていくことを目標としています。

療養生活を送る中で病状の進行や加齢に伴う変化

在宅での療養生活を送る中で病状の進行や加齢に伴う変化も生じてきます。そんなとき、多職種を含めて話し合い、その人らしい生活が送れるよう話し合う。決して医療者任せにせず、訪問看護を利用されている方とご家族を一緒寄り添い支援していくアドバンストケアプランニングを行っていくことが私達の目指す地域支援・訪問看護です。

また、働くスタッフに関しても心のケアは必要であると考えています。医療者は多職種と比べてもメンタルヘルスに変調をきたしやすく心療内科やメンタルクリニックを受診する例も多々あります。メンタルヘルスに不調をきたす理由は相手がどう考えているかを考える機会は多々ありますが、母子一体感と離別感の違いがわからないまま、業務だけを優先する環境下であり働き方は職場で教えることはできても自分はどう考えどう思うかという自分の中の軸を整える必要性を看護教育として提供することがないためです。

看護師をはじめとするスタッフもまた人であり、在宅で療養を行っているかたと同様に生活があります。生活の中には日々変化があり、毎日同じ日常生活を送っているわけではありません。人の心の迷い・不安がある中では看護師としての本来のパフォーマンスを発揮することができません。当社では提携している心理カウンセラー指導のもと看護師のメンタルサポートにも力をいれています。

当社は在宅療養を必要とする方、そして働くスタッフその人らしく過ごせる会社です。